<< クスミマヒトグループ、電撃ライヴ! 大井川を歩いて渡る。 >>

犬島に行ってきました。

土曜日、岡山から船で犬島に渡り、
維新派 の『台湾の、灰色の牛が背伸びをしたとき』を観てきた。
a0099059_1311577.jpg

ちょうど夕暮れの時間に始まった公演は、完全に環境を取り込んでいた。

芝居が始まり、音楽が止まると蝉の声がワーンと聴こえ、鳥がさえずる。
ヘリコプターの音までが演出に聴こえた。
左手を見れば海を漁船が滑っていく。
ボクの上をカナブンが飛び回った。
a0099059_13114631.jpg

舞台が進むうち、雲がみるみる形を変え、色を変えてゆく。
青空が夕焼けに変わり、海が銀色になる頃、
元製錬所の崩れかけた煙突の上に一番星が輝いた。
a0099059_13122328.jpg

蝉や鳥の声が消えて、一番星は煙突の横に降りてきて
反対側から、いつの間にか満月に近い月が昇ってくる。

最後の盛り上がりのあと、照明が完全に落ちると、
舞台を月の光だけが青白く浮かび上がらせた。
鳥肌の立つような美しさ。

しかしあんなに複雑な動き、台詞、リズム、どうやって作り上げて、
どういうふうに演出したのか、いつ観ても理解できない。
でも回りのスタッフの全員真っ黒に日焼けした顔が、
それを物語っているのかもしれない。

ここまで、このためだけに来て、本当によかったと思った。
この場に立ち会えて、52歳のこの時間をここにいられて、よかった。

すっかり親しみを憶えた「大きな人」が、まさかの姿で出てきたときは
笑っちゃいながら、やっぱりぐっときました。

何か意見のようなことや、主張のようなことを声高に叫ぶのではなく、
いろんな時代を、生きて、流れて翻弄されて、放浪した、
いろんな人々の姿を、「情景」として舞台に提示してくれた。

二十世紀はじめから半ばにかけ、アジアのたくさんの島々に
散らばって行った日本人たちがいた。いくつもの戦争があった。
島なみ。島みち。
彼らの歴史が、今現在の犬島に繋がる。

「そこはどこですか?」
「そこはいつですか?」

2010年7月24日、日本の、犬島です。
[PR]
by mqusumi | 2010-07-27 13:12 | 感動した
<< クスミマヒトグループ、電撃ライヴ! 大井川を歩いて渡る。 >>