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ものもらい

左目の目頭の下の辺りにものもらいができた。数年ぶり。
スゴイわずらわしい。でも大きくはない。
ときどき痒い。でも触らない。アイボンで洗浄するだけ。
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小学生の頃、母の郷里の山梨に行ったとき、大きなものもらいが
上のまぶたにできた。
そしたら、祖父に、鍼灸医院に連れていかれ、
灸を据えられた。それはやる前は恐ろしかった。
医院に入ると百草の匂いがして、もうその世界だ。一気に緊張する。
祖父は
「あに、あんでもねぇよ、これっけんのもんだ。
熱くもあんともねえ。へぇ終わるよ」
と笑って励ますのだが。

手の甲の、親指と人さし指の間あたりに、
直径一ミリぐらいの百草を置かれ、そこに先行で火を点けられる。
煙が立ち、ぷーんと灸の燃える匂いがする。
チリッと熱いと思った瞬間に、鍼灸師がそれを払い、
新たな藻草を同じ場所に置き、火を点ける。
これの繰り返し。
子供だし、すごく緊張した。
祖父がそばに付いていて見ていてくれた。
ボクは男の初孫だったから、祖父には格別かわいがられたのだ。

終わって外に出ると、肩の力が一気に抜けたようだった。

でも、それが効いたのか、自然治癒したのか、2〜3日後、
お灸のことを忘れた頃に、ものもらいはだんだん小さくなって、
消えた。

40過ぎてのものもらいは、なんだか醜い。穢い。
まじまじと、その赤いできものを、鏡の中の自分の顔の、
しわの多い目のまわりの、なんだか疲れて緩んだ肌の上に見て、
漠然と、自分はもうダメなんじゃないか、と思ったりする。
何がダメなんだか、わからないけど。

ものもらいは、コジキだからだろうか。
俺の顔にコジキが居る。
そのコジキは、俺でもある。

P.S.
子供の頃、百人一首の「蝉丸」を、なぜか乞食と思っていた。
知人は、子供の頃、相撲の行司を、猿だと思っていたという。わかる。
大変失礼な話です。
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by mqusumi | 2007-10-31 14:50
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