昨日は取材後、横浜で横浜未来演劇人シアターの『メリーさんの棺』を観た。
生演奏でBlueHipの栗木健がパーカッションを叩いているのだ。 面白かった〜。アングラっぽいけど古さを感じなかったのは、 「型」でやってないからだろうな。 芝居とか演出というのは、演出家が守りに入るとすぐ型っぽくなって、 役者がそこにアテハマッテルだけみたいになって、退屈する。 前から観たかった石丸だいこさんの振り付けのダンスもすっごくよかった。 踊りと音楽がオリジナルでイイと芝居がそこでワーンと広がる。 生演奏もよかったなぁ。芝居だから、生は絶対生きる。 アドリブでやるのがシーンにうねりをつける。 栗ちゃんのドラムと、坂本弘道さんのチェロ、北陽一郎さんのトランペット だったが、これも前から見たかった(聴きたかった)坂本弘道さんの チェロが素晴らしかった。DVDやCDで断片的に見たことがあるけど 生はやっぱりいいな。 終わったら帰りがけに白楽の「珈琲文明」に寄ろうと思っていたが 店が終わる時間だったことに気付き、誘われるままに打ち上げに参加。 坂本広道さんと話せてよかった。渋さとかパスカルズとか栗コーダーとか 共通の知り合いミュージシャンがいて、初対面なのが不思議なくらい。 闇太郎の話したら、 「あ、GOKスタジオの斜向かいですよね、何度か行きました」 と。なんと。いつかボクのアルバムでもチェロ弾いてもらいたい。 それから帰りの電車では、DVD「中学生日記」のノンちゃんが 去年出ていた芝居に出ていた俳優が声をかけてくれて、 途中まで話ながら一緒に帰る。 仕事場にこもってないで、外に出ると、どんどん知り合いが増え、 それがどんどん繋がっていく(すでに繋がってる)。 そういう歳なんだろう。 行き帰りの電車の中で、南伸坊さんから昨日届いた 『健康の味』(白水社)を読み、一気に読了。 南さんが数年前「ガンの疑いがある」と言われた話に驚く。 「ガンの疑いがある」 とお医者さんに言われたら、 「ああ、オレはガンなんだ」 と、たいがいの人は思うだろう。オレは思った。 疑ってるほうは疑ってるだけなのだが、疑われたほうは 「疑いなくガンだ」 と思ってしまうのだ。 そして来月にでも自分が死んでしまうくらいに考えてしまう。 というのがリアルだった。 あの明るい南さんが、笑えなくなったり、眠れなくなったり、 桜の花をしみじみキレイだなあ、と見つめていたなんて。 南さん、ガンじゃなくて、よかった。 喘息は大変そうだけど。 「健康の味は、健康なときには、味わえない」 まさに。 健康の味は、治っていく一瞬に味わえる。 完全に治ると忘れてしまう。
by mqusumi
| 2008-03-18 17:21
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