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魔がさしたとしか言いようがないラーメン。

今日、昼に急いでいて、ここはどうかなと思いながら、
知らない中華料理店でラーメンを食べた。
(わかったよ、中華料理店のラーメンは、ラーメン屋のラーメンと違うよ、知ってる)
「マダム○」という「マダムヤン」的な名前の店。

入ったら客は中年のサラリーマンが、
ひとりでテレビ見ながら定食食っているだけだった。
なんだか赤とか金とか、ケバイ店内。中国のカレンダー。
「イラシャイ」
近づいて来た50歳ぐらいの女性店員が 、妙に変な化粧品臭くて、その匂いに、
(ああ、ダメかも)
と思いながら、
「ラーメン」
と頼んだですよ。
「ラーメン、ナニラーメン?」
「え、醤油ラーメン」
「ハイ、ショユラーメン」
(ああ、きっとダメだ、魔がさした)
ラーメンは、スゴク早く出てきた。
嫌な予感。 ま、空いてるからな。
麺を箸でつまみ上げると、かなり細いちぢれ麺。
見るからに期待できない感じ。
すする。

(ぬるい。)

ぜーんぜん、ぬるい。
その時点で、ガッカリした。
スープ、すする。ぬるい。
なんだよ〜。
ぬるいスープに、根性のない麺。

脇に乗ってる黒々したの、なんだ。
…ワカメかあ。好きじゃないんだ、ラーメンにワカメって。
それも結構な量。残そう。

味付け玉子、ひと口。
冷たい。
これのせいか。いやそういう問題じゃない。
でも冷たい。
もうやだ。
今の状態をどこかに放ってしまいたい。

と思いながら、社会人の俺は、ぬるい麺をすする。
悲しくなってきた。
チャーシューを食べた。
なんか八角っぽい癖のある香辛料の味がする。
単体で、紹興酒の肴にはいいかもしれない。
でも今はその下のぬるいラーメンが、そんなことどうでもよくしている。
というより、そんな気取った香辛料が、憎らしい。
なんだ、そんなもの。
それが何だ。

外はいい天気だ。
このラーメンがおいしかったら、駅までの道は楽しいだろう。
今はずるずると、いよいよぬるい敗戦処理だ。
麺は取りあえず全部食べたが、お腹がなんだか気持ち悪い。
具とスープはほとんど残した。
「不本意」
という3文字が、俺のひたいの辺りにチカチカと点滅している。
「大失敗」
という赤ランプも後頭部に点灯している。
「自滅」
の黒文字が頬に浮かび上がってくる。

まずいものは、気持ちをここまでシュンとさせるのか。
500円だった。
店を出て、明るいバス通りを歩き出した。
情けない気持ち。
カントリーフォークブルースよ、慰めてくれ。
でもそんな歌、俺の頭に、ちっとも全然、
蚊の鳴くようにも聴こえやしないのだ。


切り絵は「スィート・ベイビー・ジェイムス」。 a0099059_23364614.jpg
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by mqusumi | 2007-04-12 23:38
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