今日は切り絵展の搬出。
展示を外して、一点ずつ箱に戻し、持てるだけ手提げ袋に入れて 持って帰る。両手に15点。残りは後日。重い。 一汗かいて、腹を減らして、駅を出たら、 近所のラーメン屋に「冷やし中華」の 貼り紙! やった! 一年に一回だけの冷やし中華解禁日(俺の)。 その年初めての冷やし中華は、特別の日だ。 晴れの日だ。 今日はばっちりだ。 荷物を仕事場に置き、サンダル(これも今年初)に履き替え、 財布だけ持って店に行く。 もちろん上はTシャツ一枚だ。 この身軽さがウレシイ。 店は空いていて、カウンターにすっと座れる。 「ビールと冷やし中華」 迷わず言う。 背中の戸が開いていて、カウンター横の通用口も開いていて、 風が通り、外気が存分に入ってくる。 夏のような5月初旬。 コップに注いだ、1杯目のビール、その一口目が、格別にウマイ。 フーッと息をつきたくなるウマサだ。 ここでビールの役目の70%は終わった。 中瓶だが、最終的に全部飲まないでもよい。 主役は冷やし中華なのだ。 ふと見ると、隣の人も冷やし中華とビールをやってる。 その隣の人は冷やし中華だけ、食べ終わったところ。 みんな同じ気持ちなんだ。 ますます嬉しくなる。 今思うと、顔がにやけていたかもしれぬ。 「お待たせしました」 来ました。 カウンターに出された、冷やし中華。 黄色い麺の上に、キュウリ、錦糸玉子、チャーシュー細切り、海苔千切り が乗り、 頂上に紅生姜が添えられ、皿の端にタップリと辛し。 わかってらっしゃる。 本当に昔ながらの、正しい冷やし中華だ。 クラゲなんかがヘタに乗ってないのがよい。 数年前の「解禁日」、いさんで食べたら、味噌味の変則冷やし中華で 心底ガッカリしたことがある。 酸っぱくない冷やし中華なんて。 和辛しの無い、キュウリの乗ってない冷やし中華なんて。 一生忘れないだろう。 キュウリの涼しげな香り、 金糸玉子の素朴な風味、 チャーシューの噛みごたえと味わい、 紅生姜のしゃりっとした辛み、 海苔の香り。 それらを麺に絡めながら食べ進む楽しさよ。 どう組み合わさっても口の中でおいしい。 全てが新鮮においしい。涼しい。 そして辛しが鼻につんとくる、これがまた、たまらない。 来週はこの怒濤のウマサは、薄まっているだろう。 まさに初物の喜び。 あっという間に食べ終えて、残った酸っぱ辛い汁まで、 皿をもって行儀悪く全部飲んだ。 最高。 今年もこの後、梅雨が来て、日本にまた夏が来る。 (海外にいる人は、この日記を読んだらどう思うのだろう)
by mqusumi
| 2007-05-08 16:55
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