色についての原稿を書くので、調べたりしてたら、
一箱の絵の具箱が愛おしくなりましたね。 いわゆるエンジ色。漢字で書くと「燕脂」。 辞書で見ると中国伝来の黒みがかった赤、と書いてある。 だが、画材的に調べていくと、これはメキシコのサボテンにつく、 カイガラムシ(エンジ虫)をすり潰して得られる、コチニールという物質から作った 顔料から作られている。 「顔料」と言うぐらいで、本当にもともと化粧に使われる。 コチニールも、絵の具業界より金を持った化粧品メーカーが 高級なコチニールを全部買っちゃうので、 高すぎてなかなか純粋なコチニールは絵の具業界に流れないとか。 油絵の具やアクリル絵の具の「カーマイン」がそれだ。 またコチニールはカンパリなどのお酒の色付けなど、食べ物にも多く使われるが、 虫が原料と聞いて拒否反応を起こす人も多く、毒性を声高に主張する人々も いるようだが、今のところそれほどの害があるとは考えられないようだ。 漠然と、最初に概念として(というか光を分解した)「色」があって、 赤なら赤、白なら白の色を出すためにいろんな物質を化合して、 その色を物質化したのが、絵の具などの色材(色の画材)だと思っていた。 でも現実には違った。 原始時代から、人間は現実にあるきれいな赤い色の土や、青い鉱物や、 虫や、サビや、貝殻の白い部分を細かく砕いて粉にして、 ニカワとか木の樹脂に混ぜて、それを絵の、具として、 いわゆる洞窟絵画などを描いていたのだった。 自然物の色が、絵の具の色の元だった。 絵の具の基本12色はそうやって、様々な自然物から生まれたものらしい。 色の道は深い。(意味違うぞ)
by mqusumi
| 2007-10-02 16:37
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